経営計画の振り返り方で分かれる企業の明暗

1年間の会計年度で区切り付けて、決算をして業績をまとめることが企業には求められています。

 

そこで、決算期を迎えた企業の社長に「今期をどのように振り返りますか?」という質問をすることが多いのですが、この質問に対する答え方一つで、その企業の行く末がある程度見えてきます。

 

具体的に言うと、期首に立てた目標が達成できたかどうかを評価するときに、「結果オーライ」で満足する社長がいますが、これが一番問題です。

 

毎日一生懸命働いていたら、「気づかないうちに目標を達成していました」では、達成の意味はありません。

 

そうではなく「なぜ達成したのか」というプロセスを明確に語れるかどうかが、重要なのです。

 

だから、仮に目標を達成できなかったとしても、「なぜ達成できなかったのか」について明確に語れる経営者がいる会社の方が、中長期的には業績が伸びる潜在力を持っていると言えます。

 

同じ漁師でも、素潜りで魚をモリで突いているだけでは、今日魚がとれても運が良かったと考えるべきです。

 

モリではなく、次は釣竿を使う、その次は網を使う、そして最後は養殖をするというように、勝つべくして勝つ構造(ストラクチャー)を連続的に生み出せる企業こそが、真の強さを持っているのです。

 

戦略の本質は意図して売れる構造をつくること

昔から経営に必要な三大要素として、「ヒト・モノ・カネ」が定番です。

 

よい人材を集め、よい商品を生み出し、豊富な資金があれば、企業は成長するという意味なのでしょう。

 

しかし、最近の会社を見ていると、これからの時代の経営に必須の要素は「ヒト・モノ・カネ」ではなくなっていることに気づきます。

 

なぜなら、人材が豊富で、商品の質も良く、資金力もあるのに、業績が伸び悩んでいる企業がたくさん現れてきているからです。

 

では、こらからの時代の経営にとって必要な要素は何でしょうか?

 

それは「戦略・ヒト・カネ」だと考えています。

 

こう書くと、「モノ」はどうでも良くて「戦略」が良いことが重要である、という誤解を与えるかもしれませんが、違います。

 

「モノ」が良いのは当たり前で、それだけでは売れない時代になったということなのです。

 

こらからの時代は、良いモノであっても「戦略」が不在ならば、決して売れることはないでしょう。

 

一方で、長引くデフレ不況の中でも、業績を伸ばしている会社は確実に存在します。

 

そういう会社に共通している特長は、他社にはない「戦略」があるということです。

 

こう言うと、ほとんどの経営者は「わが社にも戦略はある!」と主張します。

 

しかし残念ながら、多くの社長は戦略の意味をきちんと理解していません。

 

たとえば、「営業力アップ」「商品開発の推進」「ブランディングの強化」「顧客満足度の向上」「コストダウン」ということを戦略だと考えている経営者が多いのですが、これらは戦略ではありません。

 

戦略とは、「意図して売れる構造」をつくることです。

 

つまり、顧客が買いたくなる、もしくは買わざるを得ない構造作り出すことを意味します。

 

その構造を支えるために、営業力をアップしたり、商品開発を進めコストダウンを図るのが、戦略の本当の在り方なのです。

 

そもそも構造がないのに、コストダウンや商品開発をしたところで、仮に好結果に結び付いたとしても、それを戦略とは言えません。

 

売上目標が7億円だったのに、10億円の結果が出たと喜ぶような「結果オーライ」発想ではダメなのです。

 

つまり、ヒトとカネという資源を活かして、一年間の売上と利益をどう生み出すのかを考えるのが経営者の仕事です。

 

できる経営者ほど、その期間を3年、5年と伸ばしているのです。

 

さて、今期一年を振り返って、「意図して売れる構造」が存在していたでしょうか。

 

存在していたとするなら、立てた仮説に対して、どういうフィードバックが得られたでしょうか。

 

そして、来期に向けて、新たにどういう仮説を立てるでしょうか。

 

さらに、来期はどのような戦略を持っているのでしょうか。